人権の擁護者たち
ムハマド・ユナス(1940年~)

ノーベル賞を受賞した経済学者のムハマド・ユナスは、彼が考案した革命的な金融制度「マイクロ・クレジット」で国際的に有名になりました。これは、従来の銀行では融資の対象にならない貧しい零細事業者に少額の融資を行う仕組みで、これまでに何百万もの人々が貧困から抜け出すのを助けてきました。

ユナスはバングラデシュの港町チッタゴンで生まれました。彼の人生は、貧困のない世界という夢に動機付けられています。きっかけは1976年に、技能を持っているにも関わらず極貧状態だった、村の竹篭作りの女性たちに出会ったことでした。その女性たちは財務上の信用が低いため、材料の竹を購入するために高利でお金を借りなくてはならず、借金を支払うと利益が全く残らないのでした。ユナスは自分のポケットマネーでその女性たちに27ドルを貸しました。彼女たちはそのお金を返済し、わずかでしたが初めて利益が手元に残ったのです。ユナスは、少額の融資を含む超小口の金融サービスによって、貧困に苦しむ人々がその状態を抜け出すのを助けられるということに気付きました。

ユナスは1983年に、信用は基本的人権であるという信念に基づいて、グラミーン銀行(村の銀行)を設立しました。四半世紀の間に、グラミーン銀行は全国に100もの系列施設を持つようになり、個人に対する財政援助によって、何百万もの人々が貧困状態を脱するのを支援しました。ユナス教授は国連基金の理事であり、その人道支援の取り組みを称えて数多くの国際的な表彰を受けています。